遺言書作成費用の基本
遺言書の種類によって、費用と手間、そして法的確実性が大きく異なります。
遺言書は、あなたの財産を誰にどのように残すかを明確にし、残されたご家族の負担を軽減するための重要な書類です。作成方法には主に「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言(現在は一般的でない)」があり、最近では「自筆証書遺言書保管制度」も利用されています。
それぞれの作成方法には、費用、作成の手間、法的有効性、保管の安全性に違いがあります。ご自身の状況や財産の内容、将来の希望に合わせて、最適な方法を選ぶことが非常に重要です。このセクションでは、遺言書作成にかかる費用の概要と、選択肢の基本について説明します。
各遺言書方式の費用と特徴
それぞれの遺言書の特徴と費用を詳しく見てみましょう。
自筆証書遺言
遺言者が自筆で作成する遺言書です。最も手軽に作成できますが、法的要件を満たさないと無効になるリスクがあります。
主な費用(目安)
- **ほぼ無料**: 用紙代、筆記用具代など、ごくわずかな実費。
- (専門家に依頼する場合)行政書士報酬: 5万円〜15万円程度(文案作成支援など)
- (相続開始後)家庭裁判所での「検認」手続き費用: 数千円〜1万円程度
メリット・デメリット
- **メリット:**
- 手軽に作成でき、費用がほとんどかからない。
- 内容を他人に知られることなく作成できる。
- **デメリット:**
- 形式不備により無効になるリスクがある。
- 紛失・隠匿・偽造のおそれがある。
- 相続開始後、家庭裁判所での「検認」が必要。
- 内容が不明瞭だと争いの原因になることも。
公正証書遺言
公証役場で公証人が作成する遺言書です。最も安全で確実な方法とされており、法的有効性が高いです。
主な費用(目安)
- **公証人手数料**: 遺産の総額や相続人の数によって変動します。
- 例: 100万円まで: 5,000円
- 例: 100万円超200万円まで: 7,000円
- 例: 5,000万円超1億円まで: 29,000円 + 1億円までの超過分5,000万円に対し0.025%
- これに加え、財産の種類や相続人の人数に応じた加算あり。
- **証人2名への費用**: 1人あたり約6,000円〜1万円程度(公証役場で手配する場合)
- **必要書類取得費用**: 戸籍謄本、不動産登記事項証明書など数千円〜1万円程度
- (専門家に依頼する場合)行政書士報酬: 10万円〜20万円程度(公証役場との調整、文案作成、証人手配など)
メリット・デメリット
- **メリット:**
- 公証人が作成するため、形式不備で無効になるおそれがほぼない。
- 原本が公証役場で保管されるため、紛失・隠匿・偽造の心配がない。
- 相続開始後の「検認」手続きが不要。
- 遺言執行がスムーズに進みやすい。
- **デメリット:**
- 自筆証書遺言に比べて費用が高額。
- 証人が2名必要(秘密が守られない可能性)。
- 作成に手間と時間がかかる場合がある。
自筆証書遺言書保管制度
自筆証書遺言を法務局が保管してくれる制度です。自筆証書遺言のデメリットを補完できます。
主な費用(目安)
- **保管手数料**: **3,900円**(一律)
- (遺言書本体の作成費用)自筆証書遺言の作成にかかる実費はほぼ無料。
- (専門家に依頼する場合)行政書士報酬: 5万円〜15万円程度(文案作成支援など)
メリット・デメリット
- **メリット:**
- 遺言書を安全に保管でき、紛失・隠匿・偽造の心配がない。
- 相続開始後の「検認」手続きが不要。
- 比較的低コストで自筆証書遺言のデメリットを補える。
- **デメリット:**
- 遺言書の内容自体は、自筆証書遺言の要件を満たす必要があるため、作成には注意が必要。
- 法務局での手続きが必要(予約制など)。
- 遺言書作成に関するアドバイスは受けられない。
遺言書方式 比較サマリー
各方式の主要な特徴を一覧で確認できます。
| 項目 | 自筆証書遺言 | 公正証書遺言 | 遺言書保管制度 |
|---|---|---|---|
| 作成費用(目安) | ほぼ無料(実費のみ) | 数万円〜数十万円 | 3,900円(保管料) +作成費用 |
| 作成の手間 | 自身で全て作成(高) | 公証人主導(低) | 自身で作成+法務局申請(中) |
| 法的確実性 | △(無効リスクあり) | ◎(非常に高い) | 〇(原本は確実) |
| 保管の安全性 | ×(紛失・隠匿リスク) | ◎(公証役場保管) | ◎(法務局保管) |
| 検認の要否 | 必要 | 不要 | 不要 |
遺言書方式 概念比較チャート
初期費用、手間、法的確実性を比較した概念図です。
※このチャートは、各遺言書方式の「初期費用」「作成の手間」「法的確実性」について、あくまで概念的な比較を示したものです。 具体的な費用や手間は個別の状況によって異なります。
最適な遺言書を選ぶ際のポイント
ご自身の状況に合わせて、賢く選びましょう。
1. 費用対効果を考える
「安ければ良い」というものではありません。費用を抑えることと、後の相続トラブルを防ぐための確実性とのバランスを考慮しましょう。高額な財産や複雑な相続関係がある場合は、初期費用がかかっても公正証書遺言が結果的に安く済むこともあります。
2. 相続財産の規模と複雑さ
不動産が多く含まれる、相続人が多数いる、特定の相続人に多くの財産を渡したいなど、財産や相続関係が複雑な場合は、公正証書遺言のように専門家が関与し、法的有効性が担保される形式が安心です。
3. 残された家族への配慮
遺言書は、残されたご家族がスムーズに相続手続きを進めるためのものです。検認手続きの有無や、内容の明確さなど、ご家族の負担が最小限になるような形式を選ぶことも大切です。
4. 専門家への相談
遺言書作成は一生に一度あるかないかの大切な手続きです。ご自身の状況に最適な遺言書を選ぶためには、行政書士や弁護士などの専門家に相談し、アドバイスを受けることを強くお勧めします。
遺言書作成、お気軽にご相談ください。
最適な遺言書作成方法のご提案から、文案作成、公証役場との連携まで、
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